HIV感染におびえた数日 その4
朝7時半、ホテルの部屋のベルが鳴っていた。どのくらい待たせたのかはわからない。
朝食にお願いしたルームサービスだった。
「ごめんなさい。待たせましたよね。」
扉をあけると、一流ファッション誌 にでてそうな、長身のイケメンが待っていました。
『ご朝食をお持ちしました。。。。説明させていただきますね。。。○○××。。。』
「あ、わざわざ丁寧に説明ありがとうございます。」
というか、寝ぼけとあまりのイケメンぷりに、顔しか見てなかったので何言ってたのかさっぱり聞いてませんでした。
さ、食べよかな。
あー、やっぱり全然食欲ないな。熱ははかろ。
38.3度。今までで一番熱あるし。
鏡。鏡。あ、おでこにも発疹できてる。だめだなこれ。
会社は休んで、ホテルもう一泊しよ。
そんなこんなで、昼過ぎまでまた寝てしまった。
16時に目がさめて、あわてて携帯電話をみた。
保健所は!?
着信はなかった。 その後、17時になっても電話はならない。
とにかく、緊張の時間が過ぎていった。
17時30分、自分からたまらず電話した。
「もしもし、○○さんいますか。」
『はい、○○です。』
「あの、昨日、麻疹の検体まわってる○○といいますが、忙しいところ申し訳ありませんが、結果まだでてないですか?」
『あー、麻疹流行っていて、検査が混み合ってるみたいで、まだなんです。すみません。』
今日は、もう連絡ないだろうな、と思いながら、やっぱり家に帰るかどうか30分くらい悩んでいたら、18時すぎに着信音!! きた!!!
「はい、○○です」
『あ、○○さんですね。お待たせしました。』
『結果』
『陰性でしたよ!』
『よかったですね!!』
『お大事になさってください!!!』
「あ、そうですか。ありがとうございました。」
全然良くない。
全然良くない。。
全然よくない。。。。
良いけど、良くない。。。。。。。。
終わった。
もう、終わった。
そうだとは思っていたけどね。。
妻のこと、子供のこと、親のこと、兄弟のこと、これからのこと、いろんなことが
頭を駆け巡り、自然に涙があふれていた。
とくに
妻にも感染させたかもしれないということと
子供をどうやって育てていくのかということ
もし妻にも感染していたら、子供はどうなるのかということ
ただただ頭をかかえながら、涙がとまらなかった。