握らない鮨屋
胃の調子がやはりすぐれない今日この頃です。
ナマたまごではなく、呑み過ぎが原因だと思われます。。
先日、博多に出張の際、仕事で小さなお付き合いをした後、どうしても夜に 鮨が食べたくなり、中洲〜西中洲あたりで 一見様でも 入れてくれそうな 良さげな鮨屋を新規開拓兼ねて探しました。
21時を少しまわっていたので、近場の河庄や僕が贔屓にしている店はすでに行くに忍びない時間。
そんなとき、これまでに気付かなかったそれらしき外観の店を発見。
店の入口あたりには、店の名前もメニューもない障子ガラスの和式な扉。
恐る恐る、扉を開けてみるとビンゴ。
鮨屋 でした。
カウンター10席と奥にお忍び用の座敷が2室のこじんまりしたお店。
扉に高級感はありましたが、内装でいうと普通。
たぶん、綺麗な居抜きを入り口とカウンターだけ手直ししたお店かなという具合。
ドアをあけて少し店内に入った瞬間、大丈夫だと思いました。
というのも、今どき、カウンターの片隅に灰皿らしき小皿が置いてあったのが目に入ったので。
少なくとも、高級ではおそらくないこと、そして、一見様でもOKだと確信しました。
ので、大将らしき旦那に、ひとり、と指で合図して、どうぞ、と、カウンターの真ん中に案内されました。
ぼくが座るカウンタ席の左右を除いてカウンターは馴染みの客でうまってました。
ついでに、奥にある個室座敷もいっぱいでしたから、とりあえず、入れてもらえて良かった!
ただ、カウンターに座った時に感じたのが、とりあえず、メニューはなさそうだということ。
お品書きらしきものは全く店内にはなさそうでしたし、今日のオススメみたいな紙書きも全くありませんでした。
なので、とりあえず、おまかせで、と注文し、なんとなく梅酒から。
あ、僕、こういう店では金額のことはあまり気にしないというか、あまり考えないタイプです。
なので、痛い思いをしたことは、これまで多々あります。が、ま、それも勉強です。
ちなみに、20代半ばの頃、とある東京の高級クラブで2時間くらい座って呑んで、僕1人の会計だけで当時の大卒初任給2ヶ月分くらいの金額を払ったことがあります。
1人あたりの金額としては、人生でとりあえず最高額です。
なかなか高い、と思われるかどうかは人それぞれですが、この高級店では、割と一般的な会計。
最初は、会計の金額みてビビリましたが、変な店ではなく、ただの僕の勉強不足だと、先輩方に聞いてすぐわかりました。
で、和装のいい年代のママから、当時の僕なんかの若僧に、季節の変わり目には、必ず直筆でお便りがマメに届くので、結構、その後も通いました。笑
まだまだ青いリーマンでしたから、日々、一所懸命、真面目に働きましたよ。笑
話をもどして、
梅酒はこだわりの4種類があるらしく、なら、自家製あるかなと、自家製をお願いしました。
最近うるさいので、ひょっとしたら酒税法とかに抵触するかもです。
ま、いいか、と思いながら、次は、少し優しい風味の地酒、箱入り娘、をお願いし、つきだし、前菜をいただきながら、春鹿、飛露喜、東洋美人、真澄、玉乃光を1合づついただきました。
因みに、置いてある酒のラインナップは僕好みでした。
食べ物というと、何かお好みは、と聞かれるので、ホシザキのガラスケースに陳列されているなかで、気になるものを伝えていったのですが、だいぶお腹がいっぱいになってきた時に、異変に気づきました。
あら、俺、握り ひとつも食べてない!
白身3種造り、ワカメ、白糸、大トロ、エンガワ、ウニ、いくら、ソラマメ、生カキ、サバ、トラフグ白子。
ぜんぶ、刺しだわ。
しかも、ガリも、小鉢に入った、茎生姜。
ぜんぶ、かなり、素材よくて、美味かった。
特に、ソラマメ、ワカメ、生姜が最高で、ワカメ刺しは、ピカイチ。
ついつい、おかわりしました。
「ワカメめっちゃくちゃ美味いです。」
『でしょ。皆さん、言われます。』
『でも、ワカメも美味い、って言ってもらえるように頑張ります。』
『ワカメが美味いって言われるんで。』大将笑顔。
「でも、このワカメ、最高ですよ。本当に。」
「あ、大将、そういえば、握り いいですか?」
『お、握りますか?』
え、何、その反応?
鮨屋? でなく、造り屋みたいな?
よく考えると、確かに、まわりの客も、握りは殆ど食べてないかも。。。
「いや、待って、お腹いっぱいかも。大将、握りでなくて悪いけど、うにとイクラだけ軍艦で。あと、碗ものでいいです。」
なんとまあ、お任せって頼んだのに、言わなきゃ、永遠に、店側から、握ってくれない鮨屋なんてあんのね。
と、鮨好きな人生で、初めての経験となりました。
お会計は、全部造り系で、酒、だいぶ頼んだかなって割には、僕的にはかなりお優しい値段でした。
寧ろ、経営が心配みたいな。。
また、時間あったら、顔出すから、大将、次は 握ってね。