夏合宿の挑戦状
夏休みが終わるころ、3年生の部活の引退時期がようやく近づいてくる。
僕のいた中学校は、普通の公立中学だったが所謂スポーツ強豪校であった。
ほとんどの部活が市大会や都道府県大会を突破し、地区大会や全国大会に出場する具合だ。
だから、3年生の引退は必ず夏休みの終わり頃だった。
僕のいた部活もかなり戦績がある伝統的な部活。
お盆前に必ず合宿があったが、きまって私立高校の強豪校での合同合宿が1日だけ最終日前の日程に組み込まれていた。
その私立高校は、所謂、極めて部活で優秀な3年の先輩らの行き先の高校である。
男子中学生の夏合宿!
男子高校生の夏合宿!!
そして、
男子中学生と男子高校生が交流する合同夏合宿!!!
これらの合宿の時間が、普通に過ぎ去る時間だけの合宿になると想像する人は、この世の中にいったい、何人いるのだろうか?
そう。
いま、あなたが思い浮かべた、
あなたの想像の通り! の合宿である。
そうして僕は、またしても自分のセクシャリティに挑む挑戦状を、これらの合宿で次々と叩きつけられることになった。