よちよちチョコ
ちょっとまだ早いけど、妻の好きなチョコレートを忘れないうちに買っておこうとチョコレートショップに行きました。
ま、毎年、僕からのチョコと妻からのチョコが個別にお互いあるので、その意味での新鮮さはありませんが。
バレンタインの時期はふだん見ないチョコレートも店頭にならぶので、例年、だいたい、百貨店とかで3~4種類の箱を買って、家で夜に妻と二人でコーヒーでも飲みながら、ひとつのチョコを器用に2つに小さく割って、あれやこれやと食べ比べしながら楽しんでます。
チョコはいつも二人で買いに行くのですが、今年は、妻に内緒で、子どもが妻にはじめてチョコレートを渡すシーンをビデオにでも撮ろうかと思い、僕一人でチョコを先に買いに行きました。
家に帰ってから、子ども部屋のクローゼットの奥にチョコを隠しておこうと思ったのですが、僕がコソコソしていたのが雰囲気でわかったのか、妻が、何やら、やってきた気がしたので、とりあえず、扉をさっと締めて、あとで、チョコほ奥に入れなおすことに。
しばらくして、妻がシャワーを浴びにいったのを見計らって、僕は、クローゼットの扉をあけて、チョコのはいった紙袋を奥のほうに入れようした時、子どもがよちよち僕に寄ってきたので、
「これ、バレンタインデーになったら、『どうぞ』って、○○ちゃんから、○○(妻)に渡してねー」
と、言って、紙袋をクローゼットの奥のほうにしまい、その上に、タオルをかけました。
その後、○○(妻)、喜ぶかなーって思いながら、僕は、いつものように子どもを膝に乗せて本読みです。
しばらくしたら、子どもが一人で、積み木やらミニカーやらオママゴトのキッチンセットやらを部屋いっぱいに使って遊びだしたので、子どものことは、しばらくほったらかしで、僕と妻は、リビングで録画していたTVを見ていました。
僕はソファに寝っころがり、妻は、床暖房の聞いたフローリングの上に転がっているいつもの光景。
たまたま見ていたのが「脱力タイム」だったので、結構、僕も妻も爆笑してました。
すると、
『とーと』
『とーと』
って、何やら、めっちゃ、はにかんだ笑顔のわが子が、よちよち、前後しながら、言っているのに気づきました。
(たぶん、こどもは、『どうぞ』って、言ってるのだと思います。)
見ると、子どもが僕がさっきクローゼットに隠した、ピエール・マルコリー二の紙袋を小さな左手にさげて、妻の背中を右手でトントンしながら、満面の笑みで『とーと』って。
え、なんで、それ、持ってこれた ?? 嘘 !! って、僕、焦りました。
結構、奥にしまったのに。。。
それに気づいた妻が、子どものほうに振り返り、
『あら、何! 』
『 わー、何これー!』
『○○ちゃん、私にこれくれるのー ?』
と、妻も、最近、僕が見たことのない笑顔で子どもに微笑みながら、
こどもを ギューっ てしていました。
「あーあ、それ、バレンタインに、こそっと渡してもらうつもりやったのに。」
「渡すところをビデオに撮ろうって思ってたんだけど。」
「てか、何で、○○ちゃん、それ持ってこれた。」笑
『こんな○○ちゃんのかわいい笑顔、はじめて見たよ ! 』
『ちゃんと私の中に記憶したからビデオはいいよー!!』
『絶対、忘れなーい!!!』
と、しばらく、ずっーと、子どもをギューっとしたままの妻。
確かに、子どもも妻も、これまで見たことないような、笑顔でしたね。はい。
ビデオにとれなかったのは残念。
てな感じで、我が家では、思いもよらぬ、少し早いバレンタイン・デーとなりました。
しかし、今年、僕が妻からちょこを貰えるのかは不明です。