出勤途中、本日、2日続けて嘔吐となりました。
どうしたら良いか、僕の判断ではもうわからないですね。
主治医に相談しても判断しかねるのかな、って思います。
あと、コメントいただいた方、ありがとうございました。
また無事にすごせる日常を願います。
HIVに感染した既婚バイの思いのまま記録するブログです。
エイズ発症はなくほぼ普通に生きています。
これからの人生とこれまでの人生、今の自分、家族、仕事など、思いのままつぶやいていきます。
出勤途中、本日、2日続けて嘔吐となりました。
どうしたら良いか、僕の判断ではもうわからないですね。
主治医に相談しても判断しかねるのかな、って思います。
あと、コメントいただいた方、ありがとうございました。
また無事にすごせる日常を願います。
私立高校の通学門についた僕とオサムは、すでにひとけのない学校の空気に少しのまれた。
通い慣れた中学校ならまだしも、ほとんど来たことのない陽も陰りだした薄暗い雰囲気の学校となると、予定していなかった恐怖感が少し身体の中を走った。
そもそも正当な用事が何もない中学生がその高校の敷地内に侵入することが許されるのか躊躇した。
「これ、見つかったらまずいよね。」
「もう1本別に展望台に繋がってる道があるって、先輩は確か言ってたけど、探す?」
と僕。
やっぱり、案外自分は小心者だと思った。
『いや、時間あんまりないからこのまま行こうよ。急いで通り過ぎたら大丈夫じゃない? 』
と、普段慎重なオサムにしては、割とイケイケの雰囲気で珍しい返事を返してきた。
もしかしてオサム、かなりテンション高い? って思った。
「そうする? そうだね。急ごうか。」
と言って、オサムと二人、私立高校の敷地に入り、部室棟を目指した。
何事もなく、すぐに、部室棟の裏についた僕とオサムは、T先輩が話していた内容に従って、さらに展望台を目指すことにした。
ふと見上げると、部室棟の2Fにまだ灯りがついている部屋がひとつだけあり、内容はわからなかったが、校歌と思われる声が漏れていた。
その部室の片側の窓はあいていて、閉まっているほうの窓には、影絵のように、坊主頭の高校生の姿があった。
部室棟をすぎると、あたりはすっかり暗くなっていたが、右手の遠くの空にはまだかすかに茜色が映えていて、その反対にある左側の空は、いつかみた藤棚のきれいな紫色と、枯れ落ちた濃い紫の藤色のグラデーションで奏でられていた。
T先輩が話していたフェンスまでくると、そこには確かに小道があった。
「これかー」と僕は思わず発した。
小道は僕が想像していた整理された道とは違い、予想外に雑草が多いケモノ道だった。
ケモノ道を上のほうに向かって数分歩くと、そこには先輩が描写したとおりの光景が正確に再現されていて、少し開けた空間とさらにその右に入ると、街を見渡せる展望台があった。
「わー、キレイ! 」
オサムと僕は、中1の正直な感想を何の躊躇もなくそのまま発した。
展望台から街を見おろすと、車のヘッドライトとテールランプが行儀よく整列し、市民の日々の生活を労うかのように、優しく暖かい薄いオレンジ色の明かりが、戸建ての家やマンション、アパートの窓からこぼれ落ちていた。
幹線道路と生活道路がうまい具合に交差した場所には、緑や赤の灯りが交互に顔をのぞかせながら街の流れを演出しているが、そのさらに奥にいくと、僕の視野角の上半分は紺青のキャンバスとなり、遠くで船が灯すあかりと夜空に瞬く星空のあかりが、境界線のない暗闇の中で共存していた。
「こんなところがあったんだねー。」
結構、本気で感動していた僕の言葉をよそに、オサムは、
『あれ、○○橋だよね? 』
『そしたら、その辺にあるの、俺ん家じゃない?』
と、右手にある少し手前の大きなマンションあたりを指差して言った。
しかしながら、人は高い展望台のような場所にいくと何故自分の家とか知ってる場所をまず探すのだろう。
「え、どれ?」と僕。
残念ながら、僕には、足元にある木の頭が少し邪魔をして、オサムがいうあたりを認識できなかった。
ほろ苦くも、こういう時、背が高いのは得だなって思った瞬間だった。
『え、見えないの? あのあたりだよ。』
「どこ? 全然見えない。」
背伸びする僕をみて、
『抱っこしようか? 』と、なぜかテンションが高いオサム。
「え、いいよ、恥ずかしーし」といったん僕は断った。
が、やっぱり言われた場所は気になるものである。
というか、見ないともったいない気がするのは貧乏性なのか。
「やっぱり見たい!!」
と言った瞬間、僕は、急にしゃがんだオサムの顔を膝蹴りしそうになった。
『おー、びっくりした。』とオサム。
「ごめん」と僕。
「え、肩車?」と僕は追加した。
オサムがイメージして発した抱っこは、【肩車】 の意味だったようだったが、なぜか、僕の中では、【お姫様抱っこ】だった。
だから、僕は、「恥ずかしい」と言った。
そして、脚をあげようとして、オサムの顔を蹴りそうになった。
その時、僕の解釈のほうに問題があるような雰囲気になったが、それなら、「肩車しようか」と僕は言ってほしかった。
ただ、冷静に考えれば、僕とオサムの2人というシーンで、お姫様抱っこの選択肢は基本ないというのが普通かもしれないから、そこは、オサムが正しかった気もする。
というか、2人とも間違いです。
普通、背中にのせる抱っこ でしょ。
きっと。
「あー、あそこらへんだよねー。」
「うん、あれ、たぶん、オサムの家じゃない。あれあれ。」
と、いつもより高い場所から聞こえる僕の声。
僕はオサムにすっかり肩車をしてもらっていた。
でもその時、僕はオサムのイガイガ頭をがっしりと握ってはいたが、オサムの後頭部と僕のJr.の間に少し空間をあけようと必死だった。
僕は、少し重心をうしろに持っていこうとしたが、オサムは、
『危ないから、しっかりくっつけよ!』
『恥ずかしがらなくていいから、くっつけって!』
と、少し僕を叱り気味に言った。
そして、オサムの両肩からとびだした僕の両脚は、オサムの両腕でがっちりと包まれていた。
『なんか、あたるー』
『なんか、あたるー』
と、頭を左右にふりながら、ふざけて言う、オサム。
「もー!」と、僕が少し怒っているのが伝わったのか、気づいたときには、僕はオサムから降りていた。
『そんなに怒らなくていいじゃん』とオサム。
「いや、怒ってないから」と僕。
なぜかよくわからないが、その時、少し僕がムッとしていたのは事実だった。
思春期の感情ってのは、実に不安定なものである。
それからもうしばらく二人でそれぞれ夜景を眺めながらの沈黙の時間が流れた。
沈黙の時間、僕は、T先輩の告白の話を思い出しながら、チアキのことを考えていた。
どこかのタイミングで、僕の中の何かが急に吹っ切れたのかもしれないが、僕は、チアキに、ストレートに告白しようと決めた。
「俺、チアキに告白するわー。」
『え、そうなの?』
「うん。そうするー。」
『わかったー。 じゃー、俺、手伝うよー。』
『あのさ、そしたらさ、。。。。。』
と、しばらく、あーでもない、こーでもない、という皮算用を僕とオサムは繰り広げていたが、少し寒くなってきたのもあって、「帰ろうかー?」という僕の合図で、僕とオサムは暗い小道を転ばないように戻っていった。
帰り際、来るときには気が付かなかったが、普通に降りるには少し危険な階段が途中にあった。
先に進んでいたオサムが、下から、
『つかまっていいよ。』って、
僕に両手を差し出してくれていた。
手を掴むのを少し躊躇していた僕だったが、急に、オサムが僕の方を向いて、「パラダイス銀河」を歌いだした。
『よーこそ、ここへ。あそぼーよ。ぱらだいす。。。。。』
「え、何? 」と思いながら、僕は笑っていた。
僕は、重心を低くしてコワゴワと滑る階段を下りたが、
「わー。」と言ったと思った時には、僕は少し前に小さくジャンプして飛びだしていて、気が付いたときには、オサムの胸で受け止められていた。
「おー、こわっ。あっぶねー!」
「ありがとー、助かった!!」
と、結果的に、僕は、オサムにお礼を言うことになったが、僕の心の中は、いろんな感情で、その時弾んでいた。
僕は、オサムと二人で、高校の敷地の中を
『うーらん、ららん、らぁー。うー、らん、ららんら。』
と、とめどくなく、パラダイス銀河を歌いながら歩いていた時、
あの 部室棟の2F の窓から、かなり大声で、
『ごーきげん、いかーがー』
と、かぶせてきた高校生と目が合い、僕とオサムは、思わず、
「わー」「こえー」と叫びながら、
瞬間だけ手をつないだが、それを振りはらっては、慌てて、高校から逃げ去った。
ついちょっと前に、服薬無事になりました!と書いたのに、今朝、出勤途中にリバースありました。涙。
ま、また、その1回だけで、いまは無事ですが。。。
ずっとこんな感じなのかな。