幼少期体験 : 誘拐と撮影
小学2年のとき、僕は赤いスポーツカーに乗せられたことがある。
下校の道は大通りだったが、たまに、神社のある裏の道からひとり帰ることがあった。
『○○くん、こんにちわ。どうしたの、こんなところから帰って。』
『決められた道で帰らないとだめだよ。お兄さんが家まで送ってあげるから乗りなさい。
そしたら、学校の先生には言わないから。』
なぜか、僕の名前を知っている大人の人だった。学校の関係者みたいなことを言われたと思うがあまり記憶がない。
ただ、先生に言われると怒られる、という先入観でビビッていたことは覚えている。
「ごめんなさい。きめられた道でかえります。」
といって、学校のほうにもどろうとした瞬間、僕は、後ろから抱えあげられ車の後部座席に投げ込まれた。
後部座席といっても、スポーツカーだったせいか、後ろの席には、助手席側から投げ込まれた。
その後部座席の狭い空間と天井のガラスから見える空が今でも印象に残っている。
ものすごい恐怖だった。
『泣かなくていいよ。悪いことしないから。』
どこかの山の中に連れて行かれ、服を脱がされ、少しからだを触られたが、身体への危害はそれ以上のことはなく、たくさん、写真を撮られ、無理やり服をきさせられ、気づけば、僕は、神社の裏に降ろされていた。
今思うと、それだけですんだのが奇跡だと思う。
そのことは親に言うこともできず、実は今日を迎えている。