高貴な香りへの憧れ
気がつけば平成最後の天皇陛下のお誕生日が終わっていました。
長い間、本当にご苦労様でした。
一般参賀のお言葉の際、皇后陛下への想いに涙声になられたとか。
お二人のご苦労には想像も及びもしませんが、日本人の象徴として、素晴らしい品位と振る舞いであられ続けられたと、つくづく思います。
お二人を超えられる方は、もう、なかなか、いらっしゃらないだろうと思えてなりません。
御隠れになられても自由ではないと思いますが、それでも、できるだけお静かな環境で、余生をおふたりで健やかにお過ごしいただけることを願うばかりです。
ただ、ひとつだけ、僕の個人的な心残りがあります。
11年前にお会いする機会がありました際に、優しくつつまれたあの皇后陛下の高貴なお香りが何であったのか、おたずねしたくも、できなかったことです。
日本らしさのある、あのおくゆかしく、気品高い香りが何であったのか、いまだに知れず、それを知りたいばかりです。
長い人生で、あの香りをこえる、心地よい香りを感じたことがありません。
時間をともにさせていただく機会は幾度かございましたが、あの時だけに香った、ほんとうに素晴らしい高貴なものでした。
いまさらお聞きできるものでもございませんので、心残りのままのよき想い出となります。
ありがとうございました。
いつまでも、お元気でお過ごしいただけるよう、心より祈念いたします。